絶版になっていたので図書館で読ませてもらいました。
統計をかき集めた学術的な投資書なら、掃いて捨てるほどありますが、この本は違います。
均衡状態を前提とした経済学への痛烈な批判に始まり、過去のポートフォリオを公開し、自説の実証へと展開されていきます。
残念だったのは、ソロスはレトリックに乏しく、読み辛い。また、経済の予備知識がなければ10ページほどでギブアップしてしまうでしょう。実際私も全てを読むことは出来ませんでした。また何年か経ったら読んでみたいと思います。
ソロスの55の言葉―市場経済時代の指針
青柳 孝直総合法令出版
総合法令出版
この本を端的に分析すると「ソロスの格言2行、青柳の主張4ページ」である。 もっとも面食らったのは、ソロスの格言に続く青柳氏の文章にほとんど関係がないばかりか、分析がきわめて表面的で浅いことだ。 たとえば有名な「市場は信念をもたない投資家を叩きのめす」という言葉に付記された青柳氏の文章は、銀座クラブのオーナーから接待をうけたが、そのオーナーが転身して投資会社をやりたいというので止めた、という内容だ。
ソロスの言葉に対する洞察や、ソロスがそう言った背景すらない。
このように、全体に(ソロス語録とはほとんど関係なく)青柳氏の日本の経済政策批判と、世界経済の青柳展望がつらつらと連ねられているのが本書だ。
ここまで語録と解説がちぐはぐだと、青柳の名前で本を出すよりソロスの名前を使えば、と考えたのではと穿りたくもなる。
青柳氏は優秀なディーラーなのだろうし、著書も多い。
(98年初判だが「円は240円回帰の流れ」などセンスに疑問は残るが)
しかし、ソロスは史上最強のトレーダーというだけでなく、強い理念と壮大な世界観を持つ思想家である。
要はソロスを経済のモノサシ一本でしか計れなかったのが、本書最大の不備であろう。
勿論、解説を読み飛ばせば、ちゃんとしたソロス語録集である。
ソロスの言葉に対する洞察や、ソロスがそう言った背景すらない。
このように、全体に(ソロス語録とはほとんど関係なく)青柳氏の日本の経済政策批判と、世界経済の青柳展望がつらつらと連ねられているのが本書だ。
ここまで語録と解説がちぐはぐだと、青柳の名前で本を出すよりソロスの名前を使えば、と考えたのではと穿りたくもなる。
青柳氏は優秀なディーラーなのだろうし、著書も多い。
(98年初判だが「円は240円回帰の流れ」などセンスに疑問は残るが)
しかし、ソロスは史上最強のトレーダーというだけでなく、強い理念と壮大な世界観を持つ思想家である。
要はソロスを経済のモノサシ一本でしか計れなかったのが、本書最大の不備であろう。
勿論、解説を読み飛ばせば、ちゃんとしたソロス語録集である。
グローバル・オープン・ソサエティ―市場原理主義を超えて
ジョージ ソロスダイヤモンド社
ダイヤモンド社
¥ 1,890
通常2~5週間以内に発送
タイトルから今日世界が一層グローバル化して行く中での
ソロス氏の経済・投資に関する本かと思いましたが違いました。
内容は同氏が取り組む慈善活動に関してWTO、IMF、世界銀行
の現状と改善案についての本でしたが、上記の機関に関しては
義務教育で教わった程度の知識しかないので現状が同氏の言う通り
なのか、その対策や解決策はどれだけ有効なのか分かりません。
ただやはり色々な問題があるにせよ先進諸国はより一層発展途上国
に対して、衣食住および教育などの援助をしていかなければならないと
この本を読んで感じました。
ソロス氏の経済・投資に関する本かと思いましたが違いました。
内容は同氏が取り組む慈善活動に関してWTO、IMF、世界銀行
の現状と改善案についての本でしたが、上記の機関に関しては
義務教育で教わった程度の知識しかないので現状が同氏の言う通り
なのか、その対策や解決策はどれだけ有効なのか分かりません。
ただやはり色々な問題があるにせよ先進諸国はより一層発展途上国
に対して、衣食住および教育などの援助をしていかなければならないと
この本を読んで感じました。
ソロスは警告する 超バブル崩壊=悪夢のシナリオ
ジョージ・ソロス講談社
講談社
¥ 1,680
通常24時間以内に発送
私の興味はもっぱら自然科学ですが、本書は次の3つの視点で興味深く読めました。
1)今回の金融危機は単なる"住宅バブル崩壊"にあらず、「米国投資銀行」破綻寸前:旺盛な米国人消費により生じた経常収支の赤字は、(財政赤字を補う為に発行された)国公債により補填され、結果的に他国から資本が還流し、これで儲けてきた(「米国投資銀行」モデル)。こちらが「超バブル」状態で最早維持できないだろう。サブプライム問題の影響は軽微と思われていた「日本輸出株式会社」は「米国投資銀行」崩壊危機(米国消費減退)の影響を受け、失速の憂き目に遭った。(「金融大崩壊」(水野和夫)も参照しました)
2)"理性の限界"のkey words「再帰性(reflexivity)」「可謬性(fallibility)」:「再帰性」はシステム思考の自然な拡張でしょう。可謬性とは「いかなる知識も誤まっている可能性があること」ですが、この議論は「理性の限界―不可能性・不確定性・不完全性」の内容を想起させます。ソロス氏の主張は「Science is a self-correcting process」(Carl Sagan)とも通じます。第7章では著者本人が「再帰性」「可謬性」を実演。
3)バブル成長/崩壊の仕組み(正のfeedback)の議論は【複雑系】の"創発"の観点から自然に映ります。自然科学の方法論は社会科学では使えないとソロス氏は強調しますが、自然科学の対象でも数式化できてないモノが依然多くあり、「複雑系」はその代表例です。バブルの成長→崩壊のモデルは「歴史の方程式」でも語られていた「自己組織化臨界」とも通じる処あり。
人間の理性には限界があり、逆にそこに可能性が潜んでいるのだ、と楽観的に構えたい処です。「危機=危険+機会」と捉える心の余裕がないと、危険しか見えなくなってしまいがちですから…
1)今回の金融危機は単なる"住宅バブル崩壊"にあらず、「米国投資銀行」破綻寸前:旺盛な米国人消費により生じた経常収支の赤字は、(財政赤字を補う為に発行された)国公債により補填され、結果的に他国から資本が還流し、これで儲けてきた(「米国投資銀行」モデル)。こちらが「超バブル」状態で最早維持できないだろう。サブプライム問題の影響は軽微と思われていた「日本輸出株式会社」は「米国投資銀行」崩壊危機(米国消費減退)の影響を受け、失速の憂き目に遭った。(「金融大崩壊」(水野和夫)も参照しました)
2)"理性の限界"のkey words「再帰性(reflexivity)」「可謬性(fallibility)」:「再帰性」はシステム思考の自然な拡張でしょう。可謬性とは「いかなる知識も誤まっている可能性があること」ですが、この議論は「理性の限界―不可能性・不確定性・不完全性」の内容を想起させます。ソロス氏の主張は「Science is a self-correcting process」(Carl Sagan)とも通じます。第7章では著者本人が「再帰性」「可謬性」を実演。
3)バブル成長/崩壊の仕組み(正のfeedback)の議論は【複雑系】の"創発"の観点から自然に映ります。自然科学の方法論は社会科学では使えないとソロス氏は強調しますが、自然科学の対象でも数式化できてないモノが依然多くあり、「複雑系」はその代表例です。バブルの成長→崩壊のモデルは「歴史の方程式」でも語られていた「自己組織化臨界」とも通じる処あり。
人間の理性には限界があり、逆にそこに可能性が潜んでいるのだ、と楽観的に構えたい処です。「危機=危険+機会」と捉える心の余裕がないと、危険しか見えなくなってしまいがちですから…
ソロスの資本主義改革論―オープンソサエティを求めて
ジョージ ソロス日本経済新聞社
日本経済新聞社
著者のソロスといえば、97年のアジア通貨危機を引き起こした投機家というのが一般の認識ではなかろうか(実は私自身もそうであった)。同時に彼は、旧ソ連、東欧、アフリカ諸国等で財団活動を行っている世界有数の慈善事業家であることを本書で初めて知った。部族・宗教などのドグマで国民を縛る「クローズドソサエティ」に対し、変化の可能性を最大限に探求する「オープンソサエティ」(これが原書のタイトル)の優位性を説き、新しいグローバル政治・金融構造を提案する。当事国が好むと好まざるに関わらず、いち早くグローバル化の進んだ金融界で覇を成した著者だからこそ言える主張は傾聴に値する。
世界秩序の崩壊 「自分さえよければ社会」への警鐘
ジョージ・ソロスランダムハウス講談社
ランダムハウス講談社
¥ 1,995
通常24時間以内に発送
2006年度に出した本であるが、2007年にサブプライム崩壊することをずばり予言している。もっとも彼ぐらい全体を見通せる人間であると、それは、予言というほどのことではなくて、至極当然なレベルの予告であったのだろう。文章は必ずしも面白くはない。序盤だけ読んでいると、自分の考えに凝り固まった加齢臭がするが、全体を通すと重要な部分も多いので彼の本を読んだことのない人は一度は読んでみる価値があるはずだ。
ジョージ・ソロス―投資と慈善の哲学 (NHK未来への提言)
ジョージ ソロス日本放送出版協会
日本放送出版協会
¥ 998
通常24時間以内に発送
彼は、50歳の頃すでに投資家として成功し、これからどうしていこうか、悩んだそうです。
師と仰ぐカール・ポッパーの教えを思い出し、『開かれた社会』とは何かを考え、
慈善家としての新たな道を歩んでいます。
彼は、国家よりも多額の寄付をしている場合もあるほど、私財を慈善活動に費やしています。
投資、金融の話の中では、垣間見えなかった彼の生い立ち、思想などをもとに、
彼がどういう思いで活動をしているかを少し知ることができるでしょう。
師と仰ぐカール・ポッパーの教えを思い出し、『開かれた社会』とは何かを考え、
慈善家としての新たな道を歩んでいます。
彼は、国家よりも多額の寄付をしている場合もあるほど、私財を慈善活動に費やしています。
投資、金融の話の中では、垣間見えなかった彼の生い立ち、思想などをもとに、
彼がどういう思いで活動をしているかを少し知ることができるでしょう。
ソロス
マイケル・T・カウフマンダイヤモンド社
ダイヤモンド社
¥ 2,730
通常24時間以内に発送
訳者に従えば、「本書はハンガリーに生まれたユダヤ人として、ジョージ・ソロスが生きて
きた軌跡とその時代背景を緻密に描き出し、なにゆえ“ヘッジファンドの帝王”として巨万の
富を築くことができたのか、『開かれた社会』の理念を掲げて異色の慈善事業を展開している
のはなぜなのか、その理由と要因を幼少時代から説き起こし、ソロスの二律背反的な心理面も
含め、あらゆる角度から掘り下げて分析する」。
あとがきにおいて知らされるように、このmessianic billionaireの半生を綴った伝記に
あたって重ねられたインタビューのターゲットはソロスやその妻も含めて130名にも及ぶ。
なるほど、ジョージの出生以前、その父ティヴァダールと母エルジェーベトの物語すら盛り
込まれて、極めて情報量の多い一冊。
良く言えば、落ち着いた筆致によって書かれた一冊。悪く言えば、これほどの起伏に富んだ
人物を題材としているにも関わらず、ややもすると平坦で、スピード感や刺激に乏しい。彼を
めぐる年代史とテーマ史が一冊の中に織り込まれている関係上、重複する記述が散見し、その
あたりからも散漫な印象を受けてしまう。
さほど見るべきものがないのは分かってはいるのだが、彼の「開かれた社会」という理念を
支える「可謬性」、「再帰性」などの概念との絡みや論理展開についてももう少し詳らかな
解説が欲しい気もする。
取材ノートとしては素晴らしいのだが、完成品としてはやや精度を欠いている感がある。
きた軌跡とその時代背景を緻密に描き出し、なにゆえ“ヘッジファンドの帝王”として巨万の
富を築くことができたのか、『開かれた社会』の理念を掲げて異色の慈善事業を展開している
のはなぜなのか、その理由と要因を幼少時代から説き起こし、ソロスの二律背反的な心理面も
含め、あらゆる角度から掘り下げて分析する」。
あとがきにおいて知らされるように、このmessianic billionaireの半生を綴った伝記に
あたって重ねられたインタビューのターゲットはソロスやその妻も含めて130名にも及ぶ。
なるほど、ジョージの出生以前、その父ティヴァダールと母エルジェーベトの物語すら盛り
込まれて、極めて情報量の多い一冊。
良く言えば、落ち着いた筆致によって書かれた一冊。悪く言えば、これほどの起伏に富んだ
人物を題材としているにも関わらず、ややもすると平坦で、スピード感や刺激に乏しい。彼を
めぐる年代史とテーマ史が一冊の中に織り込まれている関係上、重複する記述が散見し、その
あたりからも散漫な印象を受けてしまう。
さほど見るべきものがないのは分かってはいるのだが、彼の「開かれた社会」という理念を
支える「可謬性」、「再帰性」などの概念との絡みや論理展開についてももう少し詳らかな
解説が欲しい気もする。
取材ノートとしては素晴らしいのだが、完成品としてはやや精度を欠いている感がある。